LaCasaBlancaについて

初めまして、タンゴハウス LaCasaBlancaです。糸島の地に2025年初頭にオープンいたしました。
地域のコミュニティに貢献できる多目的スタジオです。
アルゼンチンタンゴを中心にダンスや演劇、音楽やアート、蚤の市など多彩なイベントを発信していきます。

皆様のお越しをお待ちしております。

アルゼンチンタンゴのススメ

1.アルゼンチンタンゴの歴史

今から約130年前、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの港町ラ・ボカ地区で生まれたアルゼンチンタンゴ。
当時、国際貿易で繁栄を極めたブエノスアイレスは、ヨーロッパから夢を抱いてやってきた移民、アフリカから労働力として連れてこられた黒人たち、そして現地インディオ系の人々とが混在しで溢れ返り、活気に満ちあふれていたのです。

しかし、その一方で港に集まる貧しい労働者たちは毎晩のように酒場へ赴き、娼婦と踊ることで故郷へ置いてきた妻や恋人を思いだし、郷愁を募らせていました。
やがて、その踊りには、黒人系のリズム、ヨーロッパ的な旋律、そして現地インディオの音楽が融合した曲が演奏されるようになっていきます。

この叙情的な音楽と踊りの融合がアルゼンチンタンゴの始まりと言われています。
そんな背景だからこそ、アルゼンチンタンゴの旋律はどこか物悲しいものになったのかもしれません。

2.アルゼンチンタンゴってどんなダンス?

「アルゼンチンタンゴ」とはどんなダンスでしょうか?

よく言われるのが、

「赤いバラを口に咥えて踊るあれでしょ?」

それフラメンコでは?

「きらびやかな衣装を身にまとい男女で激しく首を振るペアダンス?」

多分それは、社交ダンスの一種でコンチネンタルタンゴと言われているものです。

「露出の多いセクシーなドレスを着た女性が男性とアクロバティックな技を繰り出すペアダンス?」

それはアルゼンチンタンゴの中でも「ステージタンゴ」といって、主に人に見せることを目的としたショーダンスです。

一般的に踊られているアルゼンチンタンゴとは「サロンタンゴ」と言われているものです。
男女ペアで組むことは変わりませんが、事前に振り付け(決められた踊り方)がある訳ではなく、
男性がリードをし、女性がその合図を受けてフォローする、いわば即興で作られるダンスなのです。
難しいと思われるかもしれませんが、簡単な仕組みさえ分かれば、二人のやり取りの中で自由に踊れる奥深いダンスです。

サロンタンゴは即興ダンスなので間違いや失敗といったものはありません。
また、このダンススタイルは二人で会話を楽しむように踊りを楽しめる、他のダンスでは味わえない楽しみがあります。
つまり、100人と踊れば100通りのタンゴに出会える!100人の性格や感情を、直接感じながら、理解しながら踊ることが出来る・・・
(初心者の方でも、少し集中をして踊れば、色々と感じる事ができると思います)
一度その面白さを知ってしまったら、あなたもタンゴの虜になってしまうかもしれません。

3.アルゼンチンタンゴが変える「カラダ」と「ココロ」!?

タンゴを始めた方が最初に気づくのが体型の変化ではないでしょうか。
アルゼンチンタンゴは、「歩く」動作が基本です。
姿勢が良くなるのはもちろん、足全体が引き締まって足首が細くなる方が多いようです。
さらに足を美しく魅せるのも特徴で、そのため常に両膝を揃えるように注意するので、O脚が自然と改善される場合も。

また、「ひねる」動作も含まれるのでウエストが自然とくびれてくるという嬉しい効果も!!
近頃はアルゼンチンタンゴから生まれた“オチョダイエット”なるものも流行しているようです。

アルゼンチンタンゴを続けることで、普段立っている姿勢も自然と美しく磨かれますし、女性なら高いヒールの靴で颯爽と歩くことも夢ではありません。
また、タンゴには癒しの効果も期待されています。
タンゴにしかないアブラッソ(スペイン語で“抱擁”)という男女が抱き合って踊るスタイルは、ストレスを軽減させるともいわれています。
近年では、認知症やパーキンソン病の症状改善や、夫婦間の信頼関係の修復を目的にタンゴセラピーも行われています。
日々の忙しさに疲れたら、タンゴに癒しを求めるのはいかがでしょうか。
 
4.アルゼンチンタンゴで人生が豊かになる!

アルゼンチンタンゴを習い始めると、趣味が一つ増え、レッスンで友達も増え、毎日がちょっと楽しくな李ます。
でもそれだけではないのです!
実はタンゴが踊れるようになると、週末に開かれているサロンの場「ミロンガ」で踊れるという楽しみがあります。

一般的なダンスですと、スタジオでレッスンを受け、年に1回発表会に出るというのがダンスを披露する場ですが、アルゼンチンタンゴにはこの「ミロンガ」があります。
その日、その時に集まった仲間と好きに踊ったり、おしゃべりしたり、音楽を楽しんだりという大人の社交の場があなたの毎日に彩りを添えてくれるはずです。

さらに、世界中のミロンゲーロ(ミロンガで踊るタンゴ愛好家)と友達になるチャンスもあるのです。
旅行や出張のついでに、現地のミロンガに行けば言葉は通じなくともタンゴを通じて交流できます。
海外のアルゼンチンタンゴは日本とはひと味もふた味も違ったものでしょう。

また、世界各地で有名ダンサーを招いたアルゼンチンタンゴのフェスティバルが盛んに開催されています。
好きなプロダンサーのレッスンを目当てに参加するも良し、フェスティバルに集まるたくさんのミロンゲーロと友達になるも良し。
あなたもミロンゲーロになれば、いつかアルゼンチンタンゴを目的とした旅行の計画を立てる日が来るかもしれません。

第2章

1.ミロンガってどんな場所?

ミロンガは、アルゼンチンタンゴ(サロンタンゴ)のダンスパーティが開催される場所です。

平日の夜、仕事終わりにぷらっと立ち寄ったり、休日にちょっとおめかしして出かけたりと、タンゴ好きが集う場所になっています。

ミロンガによって、かかる音楽や集まる人の顔ぶれも異なってきますので自分のお気に入りのミロンガを見つけるとよいでしょう。
ミロンガでは、DJが選曲したタンゴの音楽が流れ、フロアでは踊ることができ、フロアを囲むように並べられた席ではゆっくりとくつろぐことができます。

楽しみ方は人それぞれ。
お気に入りの曲がかかったら、その曲を一緒に楽しみたい相手を誘って踊る人、その日のDJが選りすぐったタンゴの選曲に耳を傾ける人、友達とワインを片手におしゃべりを楽しむ人……
ゆっくりと流れる時間の中で、アルゼンチンタンゴのロマンチックなメロディを聴きながら女性の美しい足さばきを眺めるだけでも非日常を味わえます。
必ずしも踊らなければいけないというわけではないので、初心者の方もぜひ一度足を運んでみていただきたいです。

ミロンガによっては、バンドを招待しての生演奏やプロダンサーによるショーを行うこともあります。
ちょっと気後れしてしまうという方には、プラクティカ(練習会)などから参加してみるのも良いと思います。
 
2.知っておきたいミロンガのルールとマナー

ミロンガで楽しむためには、お互いに心地よく過ごすためにちょっとしたルールとマナーを知っておくことが大切です。

第一にミロンガで踊る場合、男性から女性を誘うのが鉄則です。
それも本場アルゼンチンでは、カベセオといって目で誘う方法があります。お互いの目が合えば、フロアまで男性がエスコートして踊り始めます。
この方法だと、男性はもし断られたとしても誰にも見られず恥ずかしくありませんし、女性も目を逸らして簡単に断れるという利点があります。
ですが、日本ではあまり馴染みがないので直接男性が女性のところまで行って「踊っていただけませんか?」と誘うのが主流です。
女性はもし踊る気分でなければ「今、休んでいるので」とスマートに断ることもできます。

ミロンガで流れる曲は、踊るための3~4曲がひとまとまり(1タンダ)になって構成されています。
タンダとタンダの間には必ずコルティーナという休憩の曲が入ります。
同じタンダの中で使われる曲は、音楽の種類(タンゴ、ワルツなど)やオルケスタ(楽団)、演奏された年代を統一している場合が多く、同じ雰囲気でまとめられています。

踊りに誘う際にはタンダの最初に流れる曲を聞いて、「この曲は彼女と踊りたい」と踊る相手を見つけるとよいでしょう。

また1タンダが終わりコルティーナが流れたら、どんなに踊りたくても一旦は席に戻りましょう。

踊る場合、フロアを反時計回りに大きな円を描きながら進みます。
基本的には他のペアを追い越したり、ぶつかったりしないように男性が注意しながら女性をリードします。上手なペアが多いパーティは流れが滞りなく見ていて美しいものです。

最初は難しいかもしれませんが、男性は相手の女性がぶつからないように気遣える技量が最低限必要になります。
女性は優しくエスコートしてくれる男性を選んで踊りましょう。

3.ミロンガで誘い、誘われるために……

男女の距離が近いアルゼンチンタンゴでは、お互いに気遣いがあってこそ気持ちよく踊りを楽しめます。
ミロンガによって雰囲気は異なりますが、最低限の身だしなみを整え、デオドラントなどに注意しましょう。

相手を不快にさせてしまうようだと、誰にも踊ってもらえないという事態にもなりかねません。
誰だって、素敵な男性、素敵な女性と踊りたいと思うでしょう。
それに、その場に合ったお洒落を楽しむのも気分が上がります。
最近はドレスコードのあるスタジオもあります。
ドレスアップしていけば、それだけ誘われるチャンスも多いかもしれません。

フロアでお誘いする際にもちょっとした心配りが必要です。
パートナーと来ている方を誘う際には、相手の方に一言「お誘いしてもよろしいですか」と断ったり、踊り終わった後に「ありがとうございました」と声をかけるだけで紳士的です。

また、その日初めて踊る場合、お互いの緊張が少しでもほぐれるように、ちょっとした会話をするのも有効かもしれません。
ただ、踊っている最中におしゃべりが多いのは困りもの。曲と曲の合間にさりげないおしゃべりができるのが素敵です。
このほかにもいろいろとコツはあると思いますが、まずはミロンガに顔を出し、顔見知りを作れば自然と踊れる人も増えていきます。
全く知らない人と踊る楽しみもありますが、気心の知れた人の方が誘い、誘われやすいもの。友達ができれば、行く楽しみもぐっと広がりますよ。

第3章

近年、世界中でアルゼンチンタンゴの人気が高まっています。しかし、九州では、まだまだ、タンゴの情報は少なく、「どこで習ったらいいか分からない」「習ったけれど、なかなか上達しない」・・という話を聞くようになりました。

・どうやったらタンゴがうまく踊れるようになるのか
 

はじめての人はどのスタジオを選んだらいい?

実を言うと、最初の1~2回は、どの先生を選んでもそれほど差はないと思います。
というのも、はじめての方は基本の型を覚える必要があり、その内容は、どの先生でもさほど変わらないからです。

しかし、基本の型のレッスンが終わった後は、先生により上達スピードが全く違うようになります。
 

先生からレッスンを受けても、なかなか踊れるようにならない?

タンゴを少しならった方ならお分かりいただけると思いますが、基本ステップをある程度覚えたあたりから「レッスン中には先生の指示通りに動けるけど、ミロンガ(ダンスパーティ)だと全然踊れない・・・」と感じるようになります。
その理由は何なのでしょうか?

それは、レッスンがステップ中心という点にあります。
残念ながら、ステップを覚えるだけではタンゴは踊れません。
タンゴを踊るには、ステップ以外にも覚えなくてはならないことがあるからです。

タンゴを踊るために必要な5つのこと

それでは、タンゴを踊るのに必要なことは何でしょうか?
それを下の5つの要素にまとめています。

家を建てることを想像してみましょう。
家を建てるときには、まず、土地を探します。
土地は地盤がしっかりとしていないと行けません。
そして、土地が決まったら、そこに基礎を築きます。
基礎が整備できたら、その上に建物の構造(鉄筋など)を作っていきます。
建物の構造ができたら、エクステリア(外観)を整えます。
エクステリアができたら、インテリア(内装)です。

①土地は「テクニック」。
つまり、自分で自分の歩くスピードやバランスをコントロールし、動くことです。
このために必要な感覚を「テクニック」と呼んでいます。

②基礎は「コネクション(リード&フォロー)」です。
1段階でコントロールされた自分の動きを相手に伝え・受け取り、2人息を揃えて踊ることです。
男性はどう踊りたいかを指示し、女性はそれを受け取ります。
このために必要な感覚を「コネクション」と呼んでいます。
アブラソ(抱擁)もコネクションになります。
タンゴとはアブラソだとも言われます。

③構造は「ステップ」です。
※本来「ステップ」を上手にこなすには、①きちんとした土地があり、②基礎部分をしっかり作りが出来るようになり、2人息を揃えて歩けるようになっていることが前提なのです。
ステップは①と②を組み合わせたパズルのようなものです。よく使う組み合わせをステップと呼んでいます。いくつかの基本パターンを順番を決めて覚えて置いて、リズムに合わせ使います。

④エクステリアは「ミロンガ(ダンスパーティ)作法」を理解することです。
①から③で作られたステップを、ミロンガのルールにしたがって踊ります。
色々作法はありますが、安全性を確保する作法は、とても重要です。

⑤インテリアは「音楽」です。①から④を踏まえて、曲に乗って踊ることです。

早く上達したいなら、①と②を磨く必要があります

下の段階ができて、はじめて立派な家が作られる事を理解してもらいたいからです。
建物と同じで、下の階がしっかりしていなければ上の階は作れません。

つまり、初心者は③のステップをたくさん覚えるよりも、①「テクニック」と②「コネクション」をしっかりと身につけることが大事になります。

これが理解出来ていないと、たくさんのステップを習うけど、ミロンガでは全然使えない、ということになってしまいます。

ステップはあまり習っていなくても、①②の、テクニックとコネクションが出来ていると、2人でただ歩くだけでも美しくみえるようになります。

ステップ中心のレッスンを受けていると、なかなか上達しづらいのはこのためです。

ほとんどの先生は最も重要な要素に目が向いていないと思います。

それでは、なぜ、ほとんどの先生は①②の「テクニック」や「コネクション」を教えてはくれないのでしょうか?
それは、これらの「感覚」は教えることが難しいからです。

たとえば、子どもに自転車の乗り方を教えることを考えてみてください。
ハンドルの持ち方やペダルの漕ぎ方などの「型」は教えられますが、バランス「感覚」を教えることは容易ではないのです。

これはタンゴにも言えます。ステップなどの「型」は教えられますが、体の「感覚」を教えることは容易ではないのです。
しかも、現在、ほとんどの先生の「経験と勘」によるレッスンが行われていますが、踊り慣れているプロの講師の身体感覚を、そのまま、はじめたばかりのビギナーに教えても、両者の感覚にはあまりにも大きな差があるため、レッスン内容を体得する事が難しくなっているのです。
 

そこで、私は

15年近く人に教えてきた実績をベースに、この表現が難しい「感覚」を誰にでも分かるよう、「1つ1つの具体的な動き」として、わかりやすく説明し体験してもらってます。

たとえば、歩くときはどのような段階に分けて歩くのか、それぞれの段階では体のどの部分をどう動かすのか、どうバランスを取っていくのかなど、それらを細かく教えています。

もちろん、最初は理解しやすいよう比較的大ざっぱに教えて、レベルが上がるにしたがって、徐々に細かい部分も教えていきます。
そして、細かく教わっていくほど、自分自身の体を繊細にコントロール出来ている事が実感できるようになっていきます。

最後に

東京では、タンゴのダンス・スタジオやタンゴバー、公共施設などで毎日のように開催されています。
全国の主要都市でもミロンガはあります。でも、九州では福岡で月に数回開催される程度です。

私がタンゴを教えている理由は、ここにあります。
九州の各都市でも、ミロンガが開催され、タンゴ人口を増やして、アルゼンチンタンゴの楽しさを伝えていきたいのです。

タンゴの伝道活動を熱心にしているので、「タンゴ宣教師ザビエル」と言われるようになりました。

最後にタンゴは、コミュケーションのひとつの手段です。
一緒に踊るお相手も、そのミロンガに居合わせた他の方々や、レッスンで出会った方々、それぞれのコミュニティの方々、ひとつの家族の様に、違う土地でも、違う国でも、みんなをつなげるコミュケーションツールだと考えています。

是非、アルゼンチンタンゴの世界に足を踏み入れてください。
世界が変わります。